当院の虫歯治療

治療中の痛みを軽減するには麻酔が有効ですが、この麻酔注射自体が痛いという方は少なくありません。

当院では、麻酔注射の前に歯茎に塗るタイプの表面麻酔を使用しています。これにより、歯茎にあらかじめ麻酔をかけ、注射の針が刺さる痛みを軽減。また、注射針は細いほうが刺す時の痛みが少ないため、当院ではかなり細いものを採用しています。

麻酔液を注入する時は、一定の速度を保つと痛みを感じにくくなります。そのため注入速度を保つために電動注射器を使用。コンピュータで速度を制御することで、身体への刺激を減らして痛みを抑えています。さらに麻酔液と体温の間に温度差があると刺激や痛みを感じやすいため、麻酔液を体温と同じくらいまで温め、痛みを感じにくくしているのが特徴です。

注射の後は時間をおいて十分に麻酔が効いてから治療を開始。痛みの少ない虫歯治療を受けていただけます。

歯を一度削ると、元には戻りません。治療を繰り返すうち、健康な歯の組織はどんどんなくなってしまいます。なるべく削らないほうが歯を長持ちさせられるため、当院は「MI治療（ミニマルインターベンション）」に取り組んでいます。

MI治療は、削る場所をしっかり把握して、虫歯の部分だけを取り除く治療法です。健康な組織をなるべく残し、歯の健康を保つことを重視。患者さまの歯を守り、少しでも長持ちさせたいと考えています。

削りすぎを防ぐため、必要に応じて以下の材料・機器を使用しています。

• 虫歯に侵された部分だけを識別する「う蝕検知液（※）」
• 患部を拡大して見られる「拡大鏡」
• 最大40倍まで拡大視でき、より精密な処置を行える「マイクロスコープ」

※う蝕（うしょく）：虫歯のこと

新しい虫歯治療に着手する際や、ご説明の際には、必要に応じてダイアグノデントという最新機器を使用しています。ダイアグノデントは、虫歯にレーザーの光を当てることで、虫歯の大きさや進行具合を数値化できる検査器具です。

レーザーを当てるだけで、痛みもお身体への負担もないため、妊婦さんやお子さまにも安心して検査を受けていただけます。測定された数値を見ると虫歯の進行状況が明確にわかりますから、患者さまのご納得にもつながりやすく、虫歯の進行状態に適した治療を行える点もメリットです。

以上のように、少しでも患者さまのご負担を少なくし、なるべく削らずに歯を長持ちさせられる治療を提供したいと考えています。

虫歯が重症化して病巣が歯の神経（歯髄：しずい）まで達した場合は、神経をとる治療を行うのが一般的です。しかし神経がなくなると歯に栄養分がいきわたらなくなり、歯がもろくなってしまいます。生まれ持った歯を長く保つには、できる限り歯の神経を抜かない処置が重要です。

もろくなった歯は折れたり欠けたりしやすくなり、歯の根が割れて、最終的に歯を抜かなければならなくなる場合もあります。また、神経をとった歯は細菌への防御能力が低下し、細菌感染によって歯の根に炎症が起き、ひどくなると抜歯が必要となるケースもあります。

「できるだけ歯の神経はとらないようにしたい」と考え、当院が注力しているのは、可能な限り神経を残す「歯髄保存治療（しずいほぞんちりょう）」です。重症の虫歯だからといって、むやみにすぐ神経をとるような治療はいたしません。患者さまのご希望や歯の状態を踏まえた上で、経過観察の時間を十分にとり、歯を長持ちさせる最善の治療を心がけています。

当院では、以下の薬剤を使用して歯髄保存治療を行っています。